企業SNSの戦略の立て方~ユーザー特性を踏まえたキャンペーン
企業SNSは営業ツールとしても非常に強力ですが、使いこなすことが難しいのも確かです。
従来のマスメディアや検索ツールは、宣伝を見てもらった数と効果には一定の比例が見られますが、SNSはその性質上売り込めば売り込むほど効果が期待できるというものでもないからです。
今回の記事では、企業SNSの特性を解説したうえで戦略的に効果的なキャンペーン展開の仕方について解説します。
1.SNSの営業ツールとしての特性
企業がSNSを営業ツールとして活用する場合、最初にSNSの特性を理解する必要があります。
利用者数が多いからといって従来のマスメディア広告のような使い方をすると、なかなか期待する効果が得られません。むしろ、嫌悪感を抱かれてしまう可能性もあります。
SNSの営業ツールとしての特性を紹介します。
SNS=個人同士のコミュニティ
SNSは「ソーシャルネットワーク」なので、人と人がコミュニケーションをする場所です。従って、本来は企業が広告を出したり宣伝をしたりする場所としてあまりふさわしくありません。従来のメディア広告や検索エンジンのSEO対策のように宣伝情報を少しでも多く発信して届けるという考え方はあまり効果的ではないのです。
だからといって、SNSをビジネスツールとしてのメリットが小さいというわけではありません。活用する際にSNSの特性を活用することさえできれば、非常に大きな可能性を秘めています。
フォロワー数や「いいね」の数がそのまま売上になるわけではない
SNSをビジネスツールとしてありがちなケースが、フォロワーの数や「いいね」の数を増やすことを目的としてしまうケースです。
これらの数値はSNSの反響を見るための一つの指標にはなりますが、フォロワー数や「いいね」の数がそのまま売上になるわけではありません。ユーザーがSNSのリンクをクリックして自社サイトに訪問したり、商品を購入したりして初めて売上の増加やブランディングへの効果があったといえます。
なお、SNSから自社Webサイトに訪問するユーザーが増えると、SEO対策にも大きな効果があるといわれています。Googleのサイト評価をする際の一つの指標としてトラフィック=閲覧数があるので、SNSでの拡販が直接売上に結びつかない場合でもそれによって自社サイトが検索ユーザーに見つけられやすくなり、結果的にブランディングや売上の増加につながるケースがあるということです。
SNSで戦略を考える時の基本的なスタンス
SNSの特性を踏まえた企業の戦略の練り方として、以下のポイントが挙げられます。
- 売り込みをしない(=営業色を強く押し出さない)
- ユーザーが自ら拡散したいと思える情報を提供する
- 自社Webサイト(ブログ)との使い分け
- ターゲットによってSNSを使い分ける
コミュニティの場に売り込みをかけてもあまり効果的ではないので、さりげなく自社やサービスを紹介する姿勢が効果的です。ユーザーに親近感を抱かせるための仕掛けも効果的です
お得な情報、メリットのある情報、拡散することでユーザーにメリットがもたらされるものなど、ユーザーが自発的に拡販をする仕掛けづくりが効果的です。
SNSに発信する情報とブログなどの自社コンテンツとの使い分けも重要です。文字数や情報の内容によってSNSで発信すべき情報かブログで発信すべき情報かについて判断が必要です。例えば、自社の商品・サービスとの関連性が高い情報の発信はブログに記載するとサイト価値が高まり、SEO対策にも効果が期待できますが、反対に代表者の個人的な所感やプレイベートの情報などの業務への関連性が薄い情報を記載するとサイト順位が下がることがあります。SNSにはこのような影響は見られないため、本業との関連性が低い情報はSNSに執筆していくのが効果的です。
ターゲットによって使い分けができるのもSNSのメリットの一つです。ユーザー層や用途を分析して、SNSを活用しましょう。
2.企業SNSの戦略とは
企業SNSの特性を踏まえて、SNSの情報を発信する際にどのような広告戦略がとれるかについて紹介します。
基本的なSNSの手順についてはこちら「SNSマーケティングとは?ファンづくり・売上アップにつながる効果」で公開しているのでぜひ参考にしてください。
企業が利用したいInstagramの戦略
Instagramを使った戦略として活用したいキャンペーンは以下の3つです。
- ハッシュタグキャンペーン
- インスタグラマープロモーション(インフルエンサー)
- アンバサダープロモーション
ハッシュタグキャンペーンとは、企業が指定したハッシュタグを使ってユーザーに投稿してもらうことで、企業や商品(サービス)の認知度を高めるキャンペーンです。ハッシュタグを使用してくれたユーザーに対して抽選でプレゼントを送ったり、割引をしたりするなどの特典を提供するのが一般的です。Twitterでも同様のキャンペーンがあります。
インフルエンサーなど、影響力の強いユーザーに自社商品を利用してもらって宣伝をしてもらうキャンペーンです。
自社商品のファンにアンバサダー(大使)になってもらい、継続的に自社商品を宣伝してもらうキャンペーンです。アンバサダーはインフルエンサー以上に一般ユーザーとの距離が近く、商品に対しての熱量が高いという特徴があります。
企業が利用したいTwitterでの戦略
Twitterは、プレゼントをはじめとしたキャンペーン戦略の展開に適しています。
最もよく用いられる方法は「フォロー&リツイートキャンペーン」です。プレゼントの品物によっては大規模な拡販も期待できます。また、リツイートの投稿画面を店舗で提示すると特典が受けられるなどの現実と連動したキャンペーンも人気です。
企業が利用したいLine@での戦略
Line@でよく用いられているのはお友達を増やすためのキャンペーンです。典型的なケースでは、キャンペーンに申し込みをしたうえでお友達登録をするとプレゼントやスタンプがもらえるキャンペーンです。
お友達登録をしてもらえればクーポンやプレゼント情報などの提供で自社サイトに訪問してくれるユーザーを増やす戦略を立てることができます。
3.まとめ
企業SNSは戦略的に活用すれば従来の広告よりも低予算でなおかつ影響力の強いマーケティングツールになります。
しかし、反対に使いこなすことができなければ効果が得られないばかりか、一般ユーザーに対してマイナスの印象を与えてしまうこともあります。
まずは、SNSユーザーの特徴を把握したうえでどのような戦略を立てればユーザーたちの支持を得られるかについて考えてみましょう。そのうえで、プレゼントや割引などを絡めたキャンペーンを展開すると効果的です。今回の記事を参考にして、ぜひ効果的にSNSを活用してください。